タグ: 星宝

クリスマス時期SS2

世間はクリスマス。 赤い衣装を着た人間や、男女が連れ立って右往左往する商店街はいつもより騒がしい。 街に溢れるネオンを恨めしく睨みつけながら、俺こと蒼井悠斗は大きな溜息を吐いた。 「何でよりによってこんな日に……」 「仕… Read more »

穏やかな時間を

浄化の作業は休みだ、と誰が言ったか。 目をぱちくりとしながら意味を図りかねていたコウは、だが反論の余地もなく、問答無用で暇な時間を過ごす事を強いられていた。 「……暇だ」 一体どこから調達してきたのか、セイバーが持ち込ん… Read more »

荊棘さんと光君※メモ

「荊棘従道……」 目の前に立つ少年は、確かにそう口にした。 何も感情が篭っていない、ただただ無意識に口についたように見えた。 「荊棘さんを、知っているのか?」 驚いた顔で、蒼井が問いかける。 そこで初めて、彼は眉間にしわ… Read more »

クリスマス時期SS

「真っ赤なおーはーなーのー、トーナカーイさーんーがー」 「……お前、よく歌う気になるよな」 目の前を歩く腐れ縁の少年に、呆れた表情で声をかける。同時に吐き出された吐息は白く、寒さを感じて首元の青いマフラーを引き上げた。 … Read more »

その覚悟さえ、私は

「天王寺に話をつけに行くだって!?」 その表情は、普段の軽薄な笑顔を浮かべているあの人だとは到底思えないものだった。 びくり、と体を震わせ、ああ、やってしまったのだと自分の意志の弱さを痛感する。 「何で…何でそんな事を、… Read more »

終結世界(白夜さんとコウ)

「ここが、終着点、か」 「うぇ?」 果てしなき青が周囲を包む、広大な空間。 そこに座っている唯一の人間に、俺は声をかけた。 彼とも彼女とも取りにくい相手は、自分の他に誰もいないと思っていたのだろう――振り向き、目を丸くさ… Read more »

藍馬過去

「お兄様!」 ああ、喧しい。 俺を呼び止めたのは、実の妹である蘭。 快活などとはほど遠い大人しい性格をしている妹が、俺は正直疎ましかった。 そんな夏の、とある日の事だ。 「お兄様、今日はどこ行くの?」 下校途中でばったり… Read more »

思わぬ出会い(莉結ちゃん、秋春さん)

今日も今日とて、異世界のあやかし達は自分達を喰らおうと襲ってくるのを、叩き伏せている。 ここは異世界。誰も彼もが敵なのか、味方なのかすら判別が難しい世界。 あやかしが何なのか、何故俺達をつけ狙うのか、全く分からない。だが… Read more »

決戦前?

マスター 「荊棘さん、悠斗」 荊棘 「はい、何でしょうか。言っておきますが、私はマスター様から離れるつもりはありませんよ」 マスター 「……主の厳命でも?」 荊棘 「もちろん。この身朽ち果てるまで、主人の傍に仕え共に歩む… Read more »

Destroyer03

いちち……油断した。 力の入らない腕を庇いながら、左手の銃を構える。もう一方のそれはどこに吹っ飛んだだろうか、後で回収しておかねーとなぁ。 コウの奴も頭に血が昇ってるし、マズいっちゃマズい。 その上、俺やあいつらだって体… Read more »