決戦前?

マスター
「荊棘さん、悠斗」
荊棘
「はい、何でしょうか。言っておきますが、私はマスター様から離れるつもりはありませんよ」
マスター
「……主の厳命でも?」
荊棘
「もちろん。この身朽ち果てるまで、主人の傍に仕え共に歩む。それが、執事というものですから」
蒼井
「俺も、あなたの指示に従うつもりはありません。ここまで来たんです、最後まで付き合いますよ」
マスター
「…………」
蒼井
「何ですか、その顔」
マスター
「いや、まさかアンタがそう言うとは思わなくて」
蒼井
「……えぇ、ここに来た頃の俺ならそんなこと考えなかったでしょう。でも、今は――この先を、見届けたい。だから、俺も戻りません」
マスター
「後悔するとしても?」
蒼井
「それを決めるのは、俺達です」
荊棘
「はい、蒼井様の仰る通りです。貴方は、私達が全力でお護りします。ですから、貴方は貴方の思うまま行けば良いのですよ」
マスター
「……ありがとう、二人とも」
荊棘
「その言葉は、最後にまた聞かせて下さい」
蒼井
「全くです。……じゃあ、行きましょう」