カテゴリー: 二次創作

二次創作置き場

セイバーズ・アクト 02

「さ、流石に撒けただろ……」  どのくらい走ったのだろうか。自分と少女を抱えた状態で銃を構えられる訳がなく、化け物からの逃走に全力を費やしたのであろう日明が、こちらを下ろすと肩で息をしながら、その姿を変える。はひー、と気… Read more »

オンライン・ワールド05

 調査開始当日。俺たちは、件くだんの町の入口にいた。あくまで調査なので、コウは生方さんたちに預けて留守番である。  辛うじて地続きになってはいるが、折れて今にも倒れそうな電柱に括り付けてあるプレートの文字を見て、それがど… Read more »

セイバーズ・アクト 01

 星辰と石神。ふたつの町は、今や荒廃した姿を晒していた。  石から生まれた異形の怪物は人々の精神を喰らい、自らの糧とし、星喰いに呑まれた人間は、正常な者を喰らおうと襲いかかるようになってしまう。町の人々はそれを恐れ、救世… Read more »

帰還と謎01

「ご、ごぶさた……」  地下遺跡から帰還したその足で赴いた先は、オフィス街のビル。辻村に案内された蒼井達は、ベッドの上で上半身を起こした山吹と対面していた。  山吹は口の端をぷるぷる震えさせている。まだこちらは何も言って… Read more »

帰還と謎02

 まだ偽物ではないかと疑っている黒冬が山吹を見張るというので、彼を置いて繁華街の拠点に戻ると、待機していた荊棘と柱間も呼び出し、すぐに作戦会議を開く。ぐずるソウを寝かしつけたマスターが蘭を残して戻ってくる頃には、オフィス… Read more »

騒めく日常04

「マスター!」  撤退か、応戦か。蒼井が言外に疑問を込めマスターを呼ぶと、彼は少しも悩む素振りを見せずに答えた。 「みんな、日明達の体力を削るか気絶させるかして、俺の側に連れてきて」 「な、マスター様!? 何を言って――… Read more »

騒めく日常03

 十分に警戒しつつ侵入した地下への階段は、真っ暗だった。  明かりというものがほとんどなく、足元にある鉱石が、足元灯のように微かに赤く、地面を照らしている。地下だと言う事実を忘れる程に不気味に光るそれを、一体どこから射し… Read more »

オンライン・ワールド04

 繁華街から拠点にしている校舎に戻るなり紫上先生を捕まえると、俺は狭間さんと金堂さんから聞いた話を詳細に伝えた。出所はともかくとして、それっぽい噂を聞きつけたなら共有するように言われているからだ。  すると、柱間からも似… Read more »

オンライン・ワールド03

 星喰いを倒したのは学校の校舎からも確認出来ていたようで、俺達が戻るとまず先生達に労われ、クラスメイトから戦闘の感想を求められた。予想はしていたものの、それよりも優先すべき事があると断り、まずは保健室へと向かった。少年の… Read more »

オンライン・ワールド02s

「おきて!」  目を開くと、たくさんの星が瞬く空の端から、妙に丸い生き物が生えてきていた。ふかふかした、うっすらと青みががったねずみ色の体毛と、目を凝らさなければ見えにくいヒゲが頬に触れるたび、くすぐったい、と頬が緩む。… Read more »