タグ: 星宝

闇に堕ちた光03

ひらり手を振って立ち去ろうとする見嶋千里を、おい、と引き留めたのは、山吹日明その人だった。 へらりと笑顔を顔に張り付け、いつものようにふざけた口調で問いかける。 「見嶋さんよぉ。アンタ、どういうつもりなんだ?」 「あァ?… Read more »

闇に堕ちた光02

「悠斗、」 「他人には理解出来ないと思うし、昔の俺ならこの選択を選ぶ事はなかったさ。けどな、俺は……それでも、助けたいんだよ。俺達のマスターを」 ぎっ、と歯を食いしばり、蒼剣を持つ両手に力が込められる。 「突然現実世界か… Read more »

闇に堕ちた光01

「カザよぉ」 ゆらり、と。 まるで力の入っていない足取りと、それを物語るかのような、気の抜けた台詞。だがそれは見かけだけで、相手の内なる殺気は静かに燃え広がっている事を、風間は知っていた。 柱間の顔は、暗がりの影に遮られ… Read more »

赤と青

「暁!」 「おぉ、悠斗!? 何お前までこっち来てんだよ!?」 「お前が馬鹿やってるからだろ! 全く、お陰で作戦が台無しだ……!」 言いながら、悠斗が剣を構える。 気が付けば、周囲には星喰いの群れ。ここから生還するには、道… Read more »

【注意】見荊

見嶋千里の興味の対象は、後を絶たない。 それは時に特定の人物だったり、敵であるはずの存在だったり、果ては世界そのものだったり。時には危険を顧みず、ひたすら“知識”を――いや、その更に先を追い求めた… Read more »

はぐれちゃった村崎君

「はぁ、はぁ、はぁ……!」 忙しなく呼吸をしながら、肩越しに背後を見やる。 夥しい黒。まるでオイルの流れ出した海のように、だがそのどれもが蠢くようにこちらを見ている。 星喰い――だがこれは、まだ雑魚と言える強さしか持たな… Read more »

はじまりのとき

目を開ければ、そこは夜だった。 幾多の輝く光こそあるが、それらはぼんやりとしていてはっきり見る事は出来ない。明かりはあるのに暗い、と感じるのも妙な話だ。 いつからそこにいたのか、何処から来たのか。 全く、思い出せない。 … Read more »

無茶して怪我した荊棘さん

ザアアアァー。 荒廃した世界の街。 華やかな壮観も、人間達が生み出す“風景が生きている”空気も、全て星宝石が生み出す瘴気に汚染されている。砕かれた硝子に映るのは、開放感溢れる青空とはかけ離れた灰色… Read more »

Fighter01

一体全体、何がどうなっているのか。 俺は走っている。走り続けている。 走って走って走って、時折立ち塞がる大きな岩、否瓦礫をヒラリと跳び越え、また走る。 理由? それは後ろを見てくれれば分かる。俺は今―― 「っうおっとぉ!… Read more »

spina01

「困りました、ね……」 私――荊棘従道は、手に持った手拭いをスーツのポケットに仕舞いながら呟いた。 私の意識が正しく活動していたなら、先程までは確かに自身が仕えているお屋敷の給湯室にて、給仕達への紅茶を入れていたはず。し… Read more »