タグ: ジュエルマスター(叡智)

カフェ日誌2

くる、くる、くるん。 リズミカルなステップを踏みながら、今しがた拭いていたテーブルから隣のテーブルに。口ずさむメロディは、いつか聴かせて貰った、名も知らぬこの世界の行進曲。 「機嫌が良いね? 莉結嬢」 そんな様子を見た青… Read more »

カフェ日誌1

「おはよう」 「はよー」 「おはようございます」 休日の開店前の扉を潜ってきたのは、御剱と間錐。テーブルを拭いていたコウの出迎えに、二人も返してくる。 「今日のデザート、何にするの?」 学校と大学がある二人は休みの日にし… Read more »

だらだらと

時は深夜。 繁華街から少し逸れた、ひっそりとした路地裏にあるそこは、喫茶店のようだった。 営業時間はすっかり過ぎているというのに煌々と明かりが灯っているのは、まだ人がいる証である。 それもそうだ、中では数人の者達がカウン… Read more »

覚悟の先の

火蓋は切って落とされた。 飛び交う銃声と罵声。 煌めく超常現象と閃光。 それら全ては、力を得たセイバー達による所業だった。 ストッパーがなくなれば、いとも簡単に崩れる均衡を保っていたのは―― そもそも、自分達にこの非科学… Read more »

【荊マス】抑えきれない

「マスター様、デザートが出来ました」 「ありがとー。今日は何ー?」 「チョコレートワッフルです」 おやつ時の時間帯。 本日の、拠点護衛の担当は荊棘従道のみである。一応学生達はいつもより早く来れるらしいが、今のところまだ姿… Read more »

闇に堕ちた光02

「悠斗、」 「他人には理解出来ないと思うし、昔の俺ならこの選択を選ぶ事はなかったさ。けどな、俺は……それでも、助けたいんだよ。俺達のマスターを」 ぎっ、と歯を食いしばり、蒼剣を持つ両手に力が込められる。 「突然現実世界か… Read more »

はぐれちゃった村崎君

「はぁ、はぁ、はぁ……!」 忙しなく呼吸をしながら、肩越しに背後を見やる。 夥しい黒。まるでオイルの流れ出した海のように、だがそのどれもが蠢くようにこちらを見ている。 星喰い――だがこれは、まだ雑魚と言える強さしか持たな… Read more »

はじまりのとき

目を開ければ、そこは夜だった。 幾多の輝く光こそあるが、それらはぼんやりとしていてはっきり見る事は出来ない。明かりはあるのに暗い、と感じるのも妙な話だ。 いつからそこにいたのか、何処から来たのか。 全く、思い出せない。 … Read more »

無茶して怪我した荊棘さん

ザアアアァー。 荒廃した世界の街。 華やかな壮観も、人間達が生み出す“風景が生きている”空気も、全て星宝石が生み出す瘴気に汚染されている。砕かれた硝子に映るのは、開放感溢れる青空とはかけ離れた灰色… Read more »

Fighter01

一体全体、何がどうなっているのか。 俺は走っている。走り続けている。 走って走って走って、時折立ち塞がる大きな岩、否瓦礫をヒラリと跳び越え、また走る。 理由? それは後ろを見てくれれば分かる。俺は今―― 「っうおっとぉ!… Read more »