タグ: ジュエルマスター(叡智)

Puppeteer01

「山吹さん達が帰って来ない?」 俺は、マスターから告げられた言葉をオウム返しに問うた。 あちらの世界では、新入生が星辰高校にやって来たり学級編成が行なわれ、不本意ながら学級委員に指名された俺は暫くその仕事に追われていた。… Read more »

Fighter02

視界が回復を果たすまで、一体どの程度の時間が流れていたのだろうか。 俺は恐る恐る目を開け、高い所にあったはずの赤い男の姿を捜す。 奴は、何故か俺から随分離れた場所で仰向けに倒れていた。反射で蹴り出した右足で吹っ飛ばしたの… Read more »

Spina02

ふわ、と優しい感覚が、掌に生まれる。 いつの間にか閉じていた目を開けると、そこにはオーブ様の持つ物と同種の宝石――ブラックスピネルが存在していた。 オーブ様は満足気に頷き、隣にいる男に声をかける。 「マイマスター。浄化し… Read more »

Braver02

温かい心地のする、日溜まり。 「おばあちゃん!」 光でおぼろげになっている姿を見つけ、僕は声を張り上げて呼んだ。 おばあちゃんは振り向いて、笑顔を浮かべる。 「おお、どうしたんだい?」 「おばあちゃん、またあのおはなしし… Read more »

Braver01

不可解だ。 何が不可解かと言うと、今自分のこの両目に映している世界が、だ。 青い空や白い雲が何処にも存在せず、ただただ下手くそに塗りたくっただけの絵画のような闇が広がっている。しかも、もう随分長い時間。 常夜の国、なんて… Read more »

Biter03

#1 「すごいなぁ、蒼井君……」 まだ変身が出来ないので、ボクはマスターの隣で、彼らが作戦会議をするのを眺めていた。 自分よりもいくらか年上の人達に、怯む事なく自身の考えを伝える彼の姿は、ボクの目には眩しく映る。そんな感… Read more »

Biter02

#1 後ろを気にしながらの撤退戦には、中々神経を使う。 星喰いが追ってきていないか、新手が湧いて来ないか。それぞれが周囲を警戒しながら、オーブが言う教会まで逃げてきた。 バァンと教会の両扉を開け、全員が入ったのを確認する… Read more »

Biter01

#1 「よぉよぉよぉ~マスターちゃん。元気にしてっかぁ?」 その男が拠点としている廃ビルに現れたのは、昼も大分過ぎ去った時間だった。外は変わらず星空の為、そんな感覚は感じないのだが。 広間のソファにいたのは、マスターであ… Read more »

Faker02

#1 西暦二○××年四月十日午後四時三十分 住宅街某所 「…………」 チリチリと、腹が痛む。 今日未明、この世界に星喰いが現れた。 場所は繁華街。幸いにも怪我人はいなかったとニュースでは報じているが、今なおこちらの世界の… Read more »

Faker01

#1 西暦二○××年四月十日午前十時三十分 異世界の何処か 「マスター様、淹れたての紅茶です。どうぞ」 「あぁ、ありがとう」 カタン、とテーブルの上にマグを置き言うと、マスター様は微笑みを浮かべ礼を口にした。 私は今、今… Read more »