覚悟の先の

火蓋は切って落とされた。

飛び交う銃声と罵声。
煌めく超常現象と閃光。
それら全ては、力を得たセイバー達による所業だった。

ストッパーがなくなれば、いとも簡単に崩れる均衡を保っていたのは――
そもそも、自分達にこの非科学的な力を与えたのは――

戦火は益々拡がり、確実に大地を燃やし尽くす。
おかしいのは、自分だけかもしれない。いつの間にか、あの人に相当感化されてしまったらしい。ここに来た頃の自分なら、きっとこんな事はしなかっただろう。

この、無意味な争いを終わらせる。

その為に、俺は蒼玉の剣を握り締め大地を蹴った。
あの人が望むであろう終わりには最早辿り着けないだろうが、せめて近くまでは行けるように。