タグ: ジュエルマスター(勇愛)

記憶の中の姿 02(勇愛マスター)

「だからー、何で君達はいつもいつも怪我を拵えて来るんですか!」 「あはは、ごめん雨宮先生」 拠点に戻ると、迎えてくれた雨宮先生――僕や暁先輩から見れば他校の先生だけど、そう呼んでいる――が僕達の格好を見るなり血相を変え慌… Read more »

記憶の中の姿 01(勇愛マスター)

「――せいっ!」 閃く一閃。 僕の剣の切っ先は外れる事なく目の前を切り裂き、星喰いはボロボロと崩れ落ちた。 チン、と剣を納刀すると同時に、背中に感じる衝撃。 でもこれは星喰いではなく、仲間の――暁宗谷の拳だった。 「カッ… Read more »

その覚悟さえ、私は

「天王寺に話をつけに行くだって!?」 その表情は、普段の軽薄な笑顔を浮かべているあの人だとは到底思えないものだった。 びくり、と体を震わせ、ああ、やってしまったのだと自分の意志の弱さを痛感する。 「何で…何でそんな事を、… Read more »

そういうわけです。

#1 「とりあえず、当面の話は決まったって事で良いかしら? 異論がなければ、私は貴方から早く話を聞きたいのだけれど」 話題の終わりを見計らっていたのか、カナリアは軽く挙手をして発言し、コウに睨み付けるような視線を向ける。… Read more »

はじめまして?

#1 「だーかーらー!! その口上は良いっつってんだろ!? 良いから部屋に案内しろ! あ? ――お前の部屋じゃねぇ!! 後で覚えてろよお前!!」 部屋の外から聞こえてくる、聞き覚えのない声。それに続くのは白鳥の声で、誰か… Read more »

はじまりのめざめ

#1 「――は……」 目を開ければ、眼前に広がるのは見た事もない一面の青空。 異世界で意識を失ったのは覚えている。ああ、これで俺の役目は終わりかな、と諦めにも似た感情が頭を過り、それもまた役目のひとつだったのであろうと―… Read more »

※放送しません

「この町は、酷い瘴気に包まれています」 変わり果てた町の散歩道を歩きながら、彼女は言った。散らばった瓦礫を器用に避けながら歩く姿は、まるで踊り子のようだ。 「このままでは、消えてしまいます。この町も、住んでいる人々も、―… Read more »

ほのぼのを敢えてぶち壊したお話

■はじまり 『昨日未明、星辰町○○地区に住まう中学一年の男子生徒が行方不明となっている事件で、警察は捜索隊を―――』 日替わりで異なる音を奏でるカフェのラジオから流れるのは、おおよそ平和とは言えないニュース。 昼休みの長… Read more »

うちのマスターがただ駄弁ってるだけ

「お前なー」 白鳥家の一室、宛がわれた客室に据え付けられた応接セット。そのソファに腰を下ろし、疲れたような表情でヒスイが口を開く。 この部屋に来るまでにも、コウはソウを制しながらも自身の好奇心に抗う事が出来ず、何度も足を… Read more »

カフェ日誌5

「さーさーのーはー、さーらさらー。のーきーばーに、ゆーれーるー」 何かの歌を口ずさみながら、くるくる踊るように歩く莉結。 その歌の意味は分からないし聞いた事もないはずなのに、懐かしい気持ちになるのは何故だろうーーと首を捻… Read more »