本編
掲載場所
あらすじ
冬の街。そこは、シルバーフィールドという名を冠する貴族の技術により、多様な発展を享受していた。しかしその家は、裏にも様々な秘密が存在していて――。
これは、幼い双子がふたりで生きるきっかけとなった物語。
登場人物
シルバーフィールド家
- ロッカ=シルバーフィールド
- シルバーフィールド家の子息であり、双子の兄。
- 大人びていてしっかり者。
- セツカ=シルバーフィールド
- シルバーフィールド家の子女であり、双子の妹。
- 好奇心旺盛で、素直なお嬢様。
- ナツヤ=シュミート
- ユウ=シルバーフィールド
- シルバーフィールド家当主、双子の実の母親。
- 自身の知識欲を満たすためには身内ですら利用する。
- フユキ=シルバーフィールド
(仮)
(仮)
- ヴァル
- 神と同等とされる上位精霊のひとり。
- 本当の姿は意思を持つ炎そのものだが、人に紛れるために人型を取っている。生み出した者が者なため、チート級の力を有している。
世界観解説
文化基準
機械文明が徐々に浸透していっている。スチームパンクとサイバーパンクが合わさり、半分になった感。
双子は機械専門の修理屋として、精霊の主を探しながら世界を転々とするようになる。
シルバーフィールド家
→シルバーフィールド家
冬の街
シルバーフィールド家がある、ほぼ通年雪に覆われた街。家は郊外にあるが、同家の恩恵を多大に受けており、深い雪の中でも普通に生活出来るような技術が使われている。
一月だけ雪が降らない季節があり、それは《祝福の月》と呼ばれ、様々な利益がもたらされる。
ニヴァリス
元ネタはタイトルにもある「スノードロップ=待雪草」。
冬の街で好まれている花。これを目印にして、精霊が冬の街に祝福を与えてくれる(=《祝福の月》)と信じられている。
執行者
冬の街で最近噂になっている話。『神に代わり話を聞いてくれる使者』といった存在と認知されている。
貴族章
貴族の中でも選ばれた家のものだけが与えられているという、小さいチェーンにペンダントトップが付いたもの。身分、家名が刻まれている。
ロッカとセツカは既に没落した貴族の嫡子だが、回収するという連絡を受けていないためしばらく失念しており、旅を始めてからもそのまま首にかけている。
双子の他、ハルも自分の家のものを着けている。
ネタバレありの軌跡
!!注!! ネタバレ配慮なし
- 基本的には双子とコハクの三人旅。女性、老紳士は助けが必要なときに同行してくれる。
~旅立ち
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- 一連の騒動が片付いたあと、双子が旅に出る直前。ナツヤは双子に、この先の旅で必ず助けになるものとしてお手製の武器を渡す。ロッカにはフォームごとに攻守特化が選択出来る刀剣『ハクマ』、セツカには物理と魔法を選択出来る魔法具『ミュラッカ』を手渡される*1。それぞれ軽く使い方を学び、扱えるようになってから旅に出ることになる。
- 暫くはこの近くにはいないほうが良いということで、約二年ほどは冬の街から離れた地域を気ままに旅している想定。なお、後述のハルディスとはこの期間にファーストコンタクトしている。
~コハク加入
- 白髪赤眼の幻獣の子ども。
- シルバーフィールドの家が謎の没落を遂げてから数年。旅にも慣れていた双子は、とある町に立ち寄った。そこは田舎というには繁栄しており、都会というには小規模なところだった。双子はこれまでの旅の道中で拠点となる移動式工房*2を譲り受けており、壊れた機械を修理したりなど『機械専門の修理屋』として道中で路銀を稼ぎながら旅を続けている。その移動式工房を町で借りた場所に駐車させると、宿屋を探しながら、旅で必要な物資の調達に向かった。
- そこの郊外で、閉鎖された祠のようなものを見付けた双子は周囲の住人に問うと、過去に祀っていた者の祠だが、今では穢れ切ってしまい、誰も祀る者はいないと言う。そしてそれを教えてくれた住人が、「ところでお兄さん」と声をかけながらでろりと溶けた。住人だと思っていたものは人に化けた魔獣であり、あわや喰われそうになったところを誰かが助けに入ってくる。それは小さな子どもと妙な生き物であり、「早くついてこい」と言われるがままに追いかける。
- 町まで逃げきると、子どもは先ほどとは一転し、おどおどしながら「ここなら大丈夫」と声をかけてきた。一方で妙な生き物は先ほどの子どもと同じ勢いで捲し立ててくる。まるで入れ替わっているような状態に怪訝に思い聞くと、子どもは『コハク』と名乗り、先ほど助けてくれたのはコハクのもう一つの人格であり、今は妙な生き物である『サク』という。この一帯は数年前に守っていた神獣――コハクの父が突如狂ってしまい、それに影響された魔獣が蔓延っていると聞く。最早神獣に冷静な意識はないようで、災いをもたらすとして住人には怯えられるようになってしまった。
- 思うことがあったロッカがナツヤに通信で連絡を取ると、それは間違いなくロッカも自身を見失えば辿りかねない末路であると知る。また、町に逃げ込めば安全ということは、その神獣にはまだ『町を守る』という意識は残っている可能性はあり、冷静な意識を取り戻させればまだ元に戻れる可能性はあると語る
- コハクにその話をしたところ、父を戻せなくとも、せめてこのまま守護していたこの町を壊させるようなことはさせたくないので、と頷く。かくして狂った神獣の元へ向かうが、そこには神獣に対して害をなす人間たちがいた。原因を取り除くべく対峙すると、その一団を扇動していたらしき一人がロッカのほうを見て「白銀の研究体か」と口にし姿を消す。その言葉に動揺しつつも撃退し、神獣のもとへ辿り着くも彼は既に力を使い果たしており、最期に意識を取り戻しコハクに自身の力を託して消えてしまう。町は平穏を取り戻したものの、恐怖を植え付けた神獣のことを敬う人間がいるはずもなく。ただコハクは恐怖に怯えて生きるくらいならそれで良いんだと思う、と町を離れる決意を固める。そして、最期に父を助けてくれた双子を今度は自分が助ける、と付いていくことにしたのだった。
- 力を継承したとはいえ、コハクは父親とは異なりまだ生まれてまもなく、信仰もない。つまり神格も持たない、『少しばかり上位の力を得たただの幻獣』である。
~ハル合流
- コハクと合流後、男が口走った言葉が気になったロッカは一度、情報がないか探る提案を行う。協力者と連絡を取るために通信を使うことも考えたが、用心を込めて直に足を運ぶことに。
- そうして辿り着いた町の一角、それなりに整った区画にあった一軒の家の扉を叩く。すると使用人が顔を出し、『ハル』はどこにいるのかと尋ねるとたまたま帰ってきているとのことで、すぐに面会を申し出た。通された部屋のデスクに座っていた20代過ぎの男が双子に気が付くと、ナチュラルな挨拶を交わす。彼こそがハル、ハルディス=クリューソスであった。
- 出会いは双子が各地を巡る旅を始めてしばらくしてから。クリューソス家を始めとする貴族が統治する管轄の町で、『シルバーフィールドの双子』と気が付いていたハルから声をかけられて話しているところに、魔獣の襲撃に巻き込まれる。安全を確保したあと、自らを怪我人と名乗る貴族の男に絡まれるが、ハルが暗に「お前なんて知るか」と言い放ち、他怪我人の治療に向かうのを双子も手伝いに行く。
- その翌日、双子は話があるとハルの住居に招かれる。そこでシルバーフィールド家で起きた出来事をぼかしながら話す。
- それを受けたハルは、自身の思惑もあって双子の資金面でのサポートを申し出る。
- といった話をコハクに話したところで、本題のシルバーフィールド家の話を何か聞いていないか、とハルに問う。ちょうどハルとしても双子に連絡しようとしていたと語り、情報について口を開く。
〜タツキ合流
~道中
- 50代の老紳士。
- 元研究者であり、精霊の生態について研究している。
- 双子の母親は教え子であった。だがその頃から発露していた彼女の異常とも言える思考に危険視した大学が彼女を追放してから会っていないという。
~旅の終わり
- 双子の前に現れたヴァルと全力でぶつかる。諦めかけた一行だったが、セツカだけは絶対諦めてやるものかと膝を付かずに立ち続けた。
年表
8歳 | ロッカがユウによって研究の被検体として扱われるようになる。 |
10歳 | ロッカは相変わらず体は弱いままだが、ヒトではない何かの声が聞こえるようになっている。 |
セツカはこの段階でユウから家を継ぐのはお前だと告げられている。 |
世話人兼教育係として、本来来るはずだった人物に成りすましたナツヤが家に紛れ込む。 |
11歳 | ロッカに対する研究は続いており、精霊の力が彼自身を侵食している状態。 |
セツカは何も知らないままロッカとともに家を継ぐための勉強が始められ、教育係としてナツヤが割り当てられる。 |
12歳 | ヴァルによってシルバーフィールドの家が暴かれる。 |
ナツヤの助言もあり、しばらく冬の街を離れて旅をすることになる。 |
13歳 | 故郷から少しばかり離れた地にてハルと出会う。このときハルは18歳。 |
16歳 | 立ち寄った町で人ならざる者に襲われるが、コハクに助けられ対話する。 |
コハクを交えて旅を再開する。 |
| (思考中) |
17歳 | ヴァルと対峙。 |
なお、この武器は特殊な力で刻まれているため人間には認知できないヴァルの刻印が刻まれている。これはほとんどの精霊なら感知出来る所有印に似たものであり、手を出そうと思う精霊はほとんど存在しないのだとか。
大体キャンピングカー6人乗りくらいの大きさ。簡易キッチンと工房、ベッドが備え付けられており、運転は双子が改造したオートパイロット式。