タグ: 山吹日明

記憶の中の姿 02(勇愛マスター)

「だからー、何で君達はいつもいつも怪我を拵えて来るんですか!」 「あはは、ごめん雨宮先生」 拠点に戻ると、迎えてくれた雨宮先生――僕や暁先輩から見れば他校の先生だけど、そう呼んでいる――が僕達の格好を見るなり血相を変え慌… Read more »

記憶の中の姿 01(勇愛マスター)

「――せいっ!」 閃く一閃。 僕の剣の切っ先は外れる事なく目の前を切り裂き、星喰いはボロボロと崩れ落ちた。 チン、と剣を納刀すると同時に、背中に感じる衝撃。 でもこれは星喰いではなく、仲間の――暁宗谷の拳だった。 「カッ… Read more »

その覚悟さえ、私は

「天王寺に話をつけに行くだって!?」 その表情は、普段の軽薄な笑顔を浮かべているあの人だとは到底思えないものだった。 びくり、と体を震わせ、ああ、やってしまったのだと自分の意志の弱さを痛感する。 「何で…何でそんな事を、… Read more »

山吹と見嶋

「なぁ、言った通りだったろ?」 こんな状況になってもヘラヘラ笑っているこいつに、殺意を抱きそうになる。腰のホルスターに存在する短銃を抜きそうになる衝動を堪えながら、俺は視線を相手に向けた。 「予言屋サンよぉ。こうなる事を… Read more »

ホスト単騎

「やー……これはちょっと、どうしようか」 赤黒い海を背後に携え、山吹日明は苦笑いを浮かべる。 難破した豪華客船の残骸。一体どの位の人間が乗っていたのだろうか、周囲に漂う瘴気は尋常ではない。 船頭に作られた、本当なら目を疑… Read more »

闇に堕ちた光04

二人の前に現れたのは、かつて剣を交えた男。 全身真っ黒な衣装を纏い、血のように赤い大剣を掲げた彼は、その帽子の下の瞳を更に鋭く細めた。 全身に冷や汗が流れ出すのを感じながら、山吹は男の名を口にする。 「――荊棘従道!!」… Read more »

闇に堕ちた光03

ひらり手を振って立ち去ろうとする見嶋千里を、おい、と引き留めたのは、山吹日明その人だった。 へらりと笑顔を顔に張り付け、いつものようにふざけた口調で問いかける。 「見嶋さんよぉ。アンタ、どういうつもりなんだ?」 「あァ?… Read more »

Fighter01

一体全体、何がどうなっているのか。 俺は走っている。走り続けている。 走って走って走って、時折立ち塞がる大きな岩、否瓦礫をヒラリと跳び越え、また走る。 理由? それは後ろを見てくれれば分かる。俺は今―― 「っうおっとぉ!… Read more »