コラボSS(莉結ちゃん、白夜さん)

「コウさん、大丈夫ですか?」
「ああ、なんとか」

莉結が膝をついたコウを気遣い、返ってきた答えに頷く。
彼は特殊な生い立ち故、星宝石の強大な力に当てられてしまったのだろう。ぎこちなく笑顔を浮かべながら立ち上がる姿も、どこか勢いがない。

庇うように立ち位置を変え、視線をやる。
そして白夜も、ゆっくりと視線を移し――『相手』を見やった。だがそこに『怒り』はなく、ただ水のように穏やかで、落ち着いた表情をしていた。

「あなたは力を受け付けないみたいだけど……でもそんなの、関係ないんだ。わたしたちは、あなたを浄化するのが役目だから」
「効かないのなら、効くまで試せホトトギス、です!」
「残念だけど、セイバー達から俺達を隔離したところで、諦めないよ。彼らは、思ったよりも――しぶといから」

ふ、とコウが微笑みを浮かべながら口にした瞬間、後ろの空間が歪んだ。
それは波のように広がりながら大きさを変え、やがてぽっかりと穴を開ける。

「「「――マスター!!」」」

聞こえてきた声に、三人共口許を緩ませた。