タグ: 長編

Biter03

#1 「すごいなぁ、蒼井君……」 まだ変身が出来ないので、ボクはマスターの隣で、彼らが作戦会議をするのを眺めていた。 自分よりもいくらか年上の人達に、怯む事なく自身の考えを伝える彼の姿は、ボクの目には眩しく映る。そんな感… Read more »

Biter02

#1 後ろを気にしながらの撤退戦には、中々神経を使う。 星喰いが追ってきていないか、新手が湧いて来ないか。それぞれが周囲を警戒しながら、オーブが言う教会まで逃げてきた。 バァンと教会の両扉を開け、全員が入ったのを確認する… Read more »

Biter01

#1 「よぉよぉよぉ~マスターちゃん。元気にしてっかぁ?」 その男が拠点としている廃ビルに現れたのは、昼も大分過ぎ去った時間だった。外は変わらず星空の為、そんな感覚は感じないのだが。 広間のソファにいたのは、マスターであ… Read more »

Faker02

#1 西暦二○××年四月十日午後四時三十分 住宅街某所 「…………」 チリチリと、腹が痛む。 今日未明、この世界に星喰いが現れた。 場所は繁華街。幸いにも怪我人はいなかったとニュースでは報じているが、今なおこちらの世界の… Read more »

政府からの使い

この本丸の部隊の長を務める山姥切国広と、天下五剣である三日月宗近は、とても仲が悪い。 山姥切国広は本丸が出来た直後から審神者と共に戦ってきた、いわゆる『初期刀』という立場だ。彼を慕い頼る刀は数知れず、恐らくこの本丸にいる… Read more »

spina01

「困りました、ね……」 私――荊棘従道は、手に持った手拭いをスーツのポケットに仕舞いながら呟いた。 私の意識が正しく活動していたなら、先程までは確かに自身が仕えているお屋敷の給湯室にて、給仕達への紅茶を入れていたはず。し… Read more »

はじまりの刀と審神者

月が綺麗な夜、だった。 誰かに呼び起こされるような感覚を覚えたかと思った直後、目の前には己の手が。 視界にひらりと舞ったのは、淡い色彩の何か。掴んでみよう、と思うと同時にその手は動き、ひょいと小さな何かを拾う。 まじまじ… Read more »