黒い魔女のような三角帽子を被り、黒い模様が描かれた白い外套を羽織った少年。短い黒髪だが、前髪は同色の瞳を隠せるくらいに少し長い。どこかに忘れてきたかのように感情変化に乏しいが、終了間際にはそれも少しずつ変わってきている。
オブシディアン家は代々、暗部でよく話題が持ち上がる程の真っ黒な家である。要は暗殺やその類の技術に長け、また非道な実験なども良く行われていたという。
レッドンは生まれてすぐにそのような技術を叩き込まれ、普通の子供なら当たり前に受けられる愛情などを知らずに、家の駒として使われていた。感情の起伏が乏しいのは、必要ないとされてきた為。
だがそんな時にリレスと出会い、彼女と共に歩みたいといった初めての願いが生起する。生まれてこのかた闇の中にいたレッドンには彼女の笑顔が眩しく見えていたし、心の何処かでは光を求めていた彼が、まるで光の化身ではないかと思わせたリレスに惹かれるのは必然だったと言えよう。
やがて彼は家との関係の断絶を望み、なんやかんやあって*1イオスの助けも借りながら、トルシアーナ魔導学校に通う事になった。