黒い魔女のような三角帽子を被り、黒い模様が描かれた白い外套を羽織った少年。短い黒髪だが、前髪は同色の瞳を隠せるくらいに少し長い。どこかに忘れてきたかのように感情変化に乏しいが、終了間際にはそれも少しずつ変わってきている。
基本的に無口で、口を開いても単語のみなど、とても口数が少ない。終盤になるにつれ口数自体は増えていくものの、仲間以外の相手では必要最低限の言葉しか発しようとしない傾向にある。これは本来であれば庇護されるべき幼少期に、オブシディアン家当主により過酷な出来事を様々に遭遇させられ、心を閉ざしていたのが原因。リレス達に出会ってからは少しばかり緩和されたものの、傷は深い。
また、割と高所が苦手。
魔導学校に通う少年でありリレスの想い人。突然スウォアに襲われて行方不明となり、彼女に探されていた。
ダラトスクでは(悪い意味で)有名なオブシディアン家の唯一の子息だが、実家に嫌気がさして脱走。たまたま訪れていた楽団の車の荷台に姿を隠し、それが行きついた先でリレスと出会った。
オブシディアン家は代々、暗部でよく話題が持ち上がる程の真っ黒な家である。要は暗殺やその類の技術に長け、また非道な実験なども良く行われていたという。
レッドンは生まれてすぐにそのような技術を叩き込まれ、普通の子供なら当たり前に受けられる愛情などを知らずに、家の駒として使われていた。母親は実験台として使われた結果衰弱死しており、天涯孤独。感情の起伏が乏しいのは、必要ないとされてきた為。
だがそんな時にリレスと出会い、彼女と共に歩みたいといった初めての願いが生起する。生まれてこのかた闇の中にいたレッドンには彼女の笑顔が眩しく見えていたし、心の何処かでは光を求めていた彼が、まるで光の化身ではないかと思わせたリレスに惹かれるのは必然だったと言えよう。
やがて彼は家との関係の断絶を望み、なんやかんやあって*1イオスの助けも借りながら、トルシアーナ魔導学校に通う事になった。