眼鏡をかけた、海色の髪に緋色の瞳を持った青年。『サマ=ケニスト』と名乗っているテトサント大学の学生であり、イオスを師と仰いでいる。当人は落ち着いた生活を好み、普段は自室で読書を嗜むのが趣味。その趣味も高じてとても博識であり、テトサント大学では優秀な成績を収める優等生として知られている。魔法学と機械工学を中心に活動を行っている。
また、ウィンタの実兄であり、弟には甘いのか彼の好きなようにさせている節がある。雰囲気も酷似しているが……?
正体は、神による《遺産》鍛造の炎から生まれた精霊であり、神代の時代から存在している神格者である。本当の姿は赤みがかった白髪と同色の瞳。人間の姿は、兄弟として振る舞うためにウィンタに合わせていた化身。本来は強大な炎の力の影響により、髪と瞳の色は変化することはない。
《遺産》を始めとした武器制作を得意としており、それに活用する為に現代の魔術や機械工学の勉強なども怠らない。なお、名前は鍛冶の神『ウゥルカーヌス』のローマ字読みの『ヴァルカン』から。
ウィンタにかりそめの記憶を与えた張本人。両親は存在しておらず、また彼と兄弟だと名乗らせていたが、悪意は全くない。全て、名もなき精霊が当人の望みを全う出来るように配慮した結果であり、彼は望みを叶える手伝いをしていたに過ぎない。
自身は『人智を超え、人ならざる者たちに危害を及ぼしかねないものを律する』といった役目を負っている。セクウィのように問答無用とはならないが、かといって命乞いを受け入れるような慈悲深い性格でもない。本来であれば笑顔のまま相手を燃やし尽くすことくらいは平気で行えるのだが、人界に紛れるのもかなり長いためその辺りは弁えているらしい。
本編中ではなかったが、本来戦闘能力はかなり高い。セクウィやヴィエントと比べると負ける程度(そもそも属性で負ける)であり、イコール人間などにはどうやっても彼に及ぶことは不可能である。炎で数多の武器を生成し、それらひとつひとつを器用に操って攻撃が出来る。サエリの《》のような、それでいて圧倒的な物量でたやすく行う。
また、近接戦や余裕がない時などには炎で鎚を生成し攻撃を行うが、まずそんな姿を見ることはない。
《グラディウス》が破壊された時に、核であるコアと、弟が密かに制作していた剣を元にして《クラヴィス》を制作した。
セクウィ曰く『頑固者』だそうだが、本人は自覚はないどころか「それは君の方でしょ?」と返してみせるツワモノ。
なお、作中で絡みこそなかったが、リダミニータ・ジャックの両名とはヴァルの姿で面識がある。
その後、ヴァルは自身の役目に従い世界を見渡し、次なる危険因子を見定める。ターゲットを排するため、見定めたシルバーフィールド家にナツヤ=シュミート(梶夏冶)と改め、執事兼、双子の教育係として潜り込む。