タグ: 長編

Destroyer03

いちち……油断した。 力の入らない腕を庇いながら、左手の銃を構える。もう一方のそれはどこに吹っ飛んだだろうか、後で回収しておかねーとなぁ。 コウの奴も頭に血が昇ってるし、マズいっちゃマズい。 その上、俺やあいつらだって体… Read more »

Destroyer02

「…………何て言うか、悠斗」 「何だばかつき」 「すみませんでした。堕ちたオレが馬鹿でした。反省します」 頬を赤くした暁が物言いたそうに俺の名を呼んだので、僅かに声のトーンを低くして応える。 こんなのねぇよ、と不服の声を… Read more »

Destroyer01

「蒼井が落ちたって、どういう事だよ!?」 開口一番、セイバー達が集まっているここに戻ってきた柱間が言った。 今この場にいるのは、奴とマスターに付き従う執事、堕ちていた状態から回復したホストと風間、そして陽世新芽と俺。その… Read more »

Puppeteer02

「おい、陽世!! 呆けてんじゃねぇ!!! 黒冬、おめぇも立ってねぇで手伝え!」 マスターの危険はとりあえず何とかなったみたいだが、俺達の周囲にはカオスグリフォンが密集し、陣形が崩されようとしている。 睨み合ってる場合じゃ… Read more »

Puppeteer03

「目を覚ませ、この馬鹿野郎!!」 幾度目かの、剣と拳のぶつかり合い。 鋭利な刃物と、グローブを嵌めているとはいえ生身での衝突。不利なのは明らか暁の方だが、それを補って余りある攻撃力に俺は苦戦していた。 全体重を載せたスト… Read more »

Puppeteer01

「山吹さん達が帰って来ない?」 俺は、マスターから告げられた言葉をオウム返しに問うた。 あちらの世界では、新入生が星辰高校にやって来たり学級編成が行なわれ、不本意ながら学級委員に指名された俺は暫くその仕事に追われていた。… Read more »

Fighter02

視界が回復を果たすまで、一体どの程度の時間が流れていたのだろうか。 俺は恐る恐る目を開け、高い所にあったはずの赤い男の姿を捜す。 奴は、何故か俺から随分離れた場所で仰向けに倒れていた。反射で蹴り出した右足で吹っ飛ばしたの… Read more »

Spina02

ふわ、と優しい感覚が、掌に生まれる。 いつの間にか閉じていた目を開けると、そこにはオーブ様の持つ物と同種の宝石――ブラックスピネルが存在していた。 オーブ様は満足気に頷き、隣にいる男に声をかける。 「マイマスター。浄化し… Read more »

Braver02

温かい心地のする、日溜まり。 「おばあちゃん!」 光でおぼろげになっている姿を見つけ、僕は声を張り上げて呼んだ。 おばあちゃんは振り向いて、笑顔を浮かべる。 「おお、どうしたんだい?」 「おばあちゃん、またあのおはなしし… Read more »

Braver01

不可解だ。 何が不可解かと言うと、今自分のこの両目に映している世界が、だ。 青い空や白い雲が何処にも存在せず、ただただ下手くそに塗りたくっただけの絵画のような闇が広がっている。しかも、もう随分長い時間。 常夜の国、なんて… Read more »