マスター達を取り巻く人々の話

大黒家(大黒神社)

大黒家は、古来より人ならざる者と言葉を交わし、現実世界とは別の世界からやってくるあやかし(=星喰い)と戦える力を持った子供が生まれやすい家系。奉っているのは大黒天で、神徒である鼠との縁が強い。
家宝としていくつかの星宝石を所持しているが、いずれも効力はないため実質置物。また、代々受け継がれてきた魔除けの大太刀が奉られている(翡翠が変身時に持つ大太刀と同じかたちではあるが、同一ではない)。
祖父、父親、母親、翡翠(長男)、寧人(次男)、分家の娘に灰子がいる。

灰子(ハイネ)

翡翠の相棒とも言える、神秘属性のセイバー。
分家の長女で、常に大黒兄弟の傍に控えていた護衛。
長い黒髪に赤い目を持つ。夏名里が髪を下ろしてカチューシャつけたらそっくり。巫女服。
大黒家の神使の白と行動し、守護石の力を用いて翡翠を守り、また星喰いを討伐するお役目を翡翠の祖父から承っていた。
武器は脇差と、巫女服の下に数本のクナイを隠し持っている。変身時の属性は神秘。
幼い頃から桜が好きで、大黒家にある大きな桜の木の下に良く座り、幼少の頃はそこで大黒兄弟と昼寝をしていたりしたらしい。
神秘世界終盤、敵から狙われた翡翠を庇い死亡する。

寧人(ネイト)

翡翠の二つ下の弟。
性格は穏やか。故に正反対で、自由奔放な兄に憧れており、こんな家に縛られているのは兄にとって辛いはず、と考え、代わりに自分が跡継ぎになる事を望んでいた。そうすれば兄は家に拘らず、自由に動けると思ったから。
翡翠と同じくセイバーとしての力を宿してはいたが、異世界に足を踏み入れる事はしなかった。
異世界に行かなかったのは、戦うのが好きではない為。代わりに、異世界に行った大切な人達がいつでも帰ってこれるよう尽力していた。
翡翠が家を飛び出した後、家を継ぎ現代でも守っている、らしい。珠子達が異世界で翡翠が死んだ事を報告した時点で、既に跡継ぎとなっていた。何故助けられなかったのか、と珠子達を責める事もせず、むしろ仲間を守って逝ったのなら兄も本望ではないのだろうか、と返した。
幼い頃、翡翠と灰子の三人と鼠達とで、仲良く遊んでいた。

大黒神社に奉られる大黒天の神使。
個体数は多く、その中でもより強い霊力を持った個体が、大黒家のセイバーに付き従う。

黒(コク)

鼠の神使その一体。
翡翠と仲が良く、幼い頃から一緒にいた個体。黒い体に黄色の目。
翡翠の変身時には体が大きくなり、彼の戦いの補佐をするようになった。
翡翠死亡後、主を失い消えるはずだったが、引き寄せられるように星宝石に吸い込まれ、暫く眠っていた。

白(ハク)

鼠の神使その二。
灰子と共に行動していた個体。白い体に赤い目。
変身時に灰子と融合し、機敏な行動力を彼女に与えていた。
灰子死亡時、自身の残った霊力を黒に譲渡した後、彼女と共にその存在を失う事となった。

蒼(ソウ)

消える間際の白の霊力と共に星宝石に眠っていた黒が、願いを諦めかけた事により星喰いとなりかけ、コウ達に浄化された姿(現代に合わせてハムスターに)。翡翠の時とは異なり、自身がセイバーの力を手に入れた為、少女の姿を取れるようになった。
黒と白の霊力が混じった為、体の色は灰色になる。

美玲家

大黒家とは繋がりこそあるものの、人の世により近付いた家庭。
母の母方の祖母が大黒家の娘であり、彼女が一般の男性からのアプローチにより家を出た。
父が白鳥財閥直下の会社の課長を勤めており、母は専業主婦。姉は所謂お嬢様学校に通う優秀な学生だったが、うつろ病を患ってしまい寝たきりとなる。
両親は事件前こそ夏名里を冬里と同じように可愛がっていたが、事件後腫れ物を触るかのような態度を取るようになり、夏名里が18になる頃には、完全に娘ではなく道具か何かだと思っている節が見られた。
家族構成は父、母、冬里(長女)、夏名里(次女)。

冬里(トウリ)

夏名里の姉。
妹がコンプレックスを抱くまでに完璧で綺麗な少女だったが、自身が16の時にうつろ病にかかり、寝たきりとなる。
文武両道、成績優秀な姉と称される事が多いが、本人は天才とかそういうのではなく、かなりの努力家で負けず嫌い。
妹の事は大好きで、事件後も何かと気にかけてくれていた唯一の肉親。うつろ病になり意思表示が出来なくなった事で、夏名里は家庭内の味方を失い、孤立する事になる。