ストーリー:片耳のピアス2
サマ、クーザン
- クーザン
- サマさん。ウィンタからこのピアスをもらったんですけど、これもしかして曰く付きだったりします?
- サマ
- …………。うん。実はそのピアス、装着者の《月の力 フォルノ》を受けて、もう片方の装着者に存在を知らせる力を持ってるんだ。僕が持っていたんだけど、いつの間にか手元から消えていた代物だよ
- クーザン
- やっぱり……だから俺の引っ越し先を知ってたんですね
- サマ
- え? それは違うよ
- クーザン
- どういう事ですか?
- サマ
- 存在を知らせると言っても、いわゆる探知機みたいなもので、発信機みたいに相手の位置を知らせる機能はないよ。存在はしている、という事だけしか相手には分からない。だから、ウィンタが君の引っ越し先を知ってたというのは、単にいろんな人に聞き回って、調べあげたはず。俺だって協力したしね
- クーザン
- んな面倒な事を……
- サマ
- する価値はあったんだよ。僕は彼に『君を見守る』役目は与えていたけど、まさかそこまでやるとは思ってなかったしね
- クーザン
- …………
- サマ
- 安心していいよ。ウィンタは本当に君やユキナの事を親友だと思っていたし、失いたくない、かけがえのない存在だと思っていた。数百年前の記憶がなくなっているのにね