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セイバーズ・アクト

最終更新: 2021-09-04 (土) 11:15:37

あらすじ

 星辰と石神。ふたつの町は、今や荒廃した姿を晒していた。
 石から生まれた異形の怪物は人々の精神を喰らい、自らの糧とし、星喰いに呑まれた人間は、正常な者を喰らおうと襲いかかるようになってしまう。町の人々はそれを恐れ、救世主を求めた。
 そこに現れたのは、異質な力を振るい星喰いたちを倒す力を持つ者たち。力の象徴として剣を掲げた彼らを、町の人々は、畏敬の念を込めて《セイバー》と呼ぶようになった。

 これはそんな町に暮らす人々の、とある出来事を発端とする群像劇である。

登場人物

一般人

  • 美玲夏名里
    • 星喰いに襲われかけた際、山吹日明の守護石を強化させたことで浄化能力を覚醒させ、《マスター》と呼ばれる存在となった。戦闘能力こそ皆無なものの、持ち前の芯の強さで星喰いへの対処に当たっている。
    • 過去に星喰いから襲われた際に姉:冬里に庇われ、失っている。その出来事から実家に居辛くなり、実家を出て一人暮らしをしている。
  • 山吹日明
    • 美玲夏名里の幼馴染で元野良セイバーだったが、夏名里が襲われた際に彼女の浄化の力と自身の守護石のパスが繋がり、擬似的なマスターとなる。そのためだけではないが、彼女のことは「マスター」ではなく「カナ」と呼ぶ。カーネリアンの守護石を持ち、二丁拳銃を操る。
  • 暁宗谷
    • 夏名里がマスターである少年。ガーネットの守護石により生成された篭手を武器とする。蒼井悠斗の腐れ縁であるが、何故星喰いを補助するような行動を取っているのかが理解出来ず、目を覚まさせようと一連の事件を追いかけている。

レジスタンス

 星喰い、転じて組織から一般人を守るために結成された、野良セイバーの集まり。

  • 大黒翡翠
    • 翡翠の守護石を持つ青年。オーブをマスターとするが、基本的に単独で行動する。星宝石で鍛刀された大太刀が武器。「黒」という鼠の霊を連れている。
    • マスターの資質を併せ持つ唯一の存在であり、セイバー。元々はマスターであったが、過去に堕ちた星宝石の暴走によって自身の守護石が巻き込まれ、星喰いになりかけたことがある。その際オーブが介入し、マスターとしての力はほぼ失い、代わりにセイバーとして覚醒した。
    • しかしその星宝石は翡翠の力を浄化の力とともに既に奪っており、彼の姿に酷似した星喰いとなった。それこそが後のコウであり、彼は自身の写し身でもある。
    • 弟:寧人がいたが、過去に星喰いに喰われている。
  • オーブ
    • 大黒翡翠のマスター。星宝石に詳しく、彼や他のセイバーたちの情報源となる。ギベオンと瓜二つな容姿を持つ。
    • ギベオンと根源を同じくしているが、考えは真逆。自身の片割れとも言えるギベオンの陰謀を止めるために、レジスタンスに協力している。
  • 村崎十織
    • マスターを持たないセイバー。組織に人体実験を施され無理矢理《セイバー》として覚醒させられた被験者であり、逃亡したのちにレジスタンスに保護される。タンザナイトの守護石を持ち、自身に人体実験を行った者への復讐を望んでいる。
  • 荊棘従道
    • 組織に所属していたが、故あってコウを連れ出そうとした男性。彼が何故今の状態になっているのかを知る、唯一の人物。ブラックスピネルの守護石を持ち、大剣を振るう。
    • 蒼井悠斗と共に逃走しようとしていたコウを手助けたが、力及ばず彼を組織に連れ戻されたため、助け出そうとレジスタンスに協力している。

組織

 星宝石を使って人類から感情を奪い、自らの思うがままの世界をつくろうと企む者が所属する。
 非人道的実験を行う者たちが集まっており、それを施されるために捕まったセイバーも存在する。

  • コウ
    • 感情が失われた青年。大黒翡翠と同じものだと思われる、半分黒く染まった星宝石を胸元のループタイに着けている。
    • 星宝石を増幅させ、意識の支配力を強める力を持つ。これは元々大黒翡翠が使えていた浄化の力が、星喰いに堕とされたことで反転したもの。
    • 大黒翡翠を元にして生まれた星喰いだったが、レアケースとして秘密裏に組織に収容される。その後脱走した際に蒼井悠斗や荊棘従道と出会ったことで翡翠としての意識を浄化の力なくして取り戻すが、組織に反旗を翻したとみなされため星宝石を意図的に堕とされてしまい、感情を奪われた。
  • 蒼井悠斗
    • コウを「マスター」と呼び、その指示通りに動くセイバーの少年。敵勢力の前に現れる際は、コウと同様無表情でいる。サファイアの守護石を持ち、戦闘能力に長けている。武器は剣。
    • コウに正常な意識を取り戻させた人物。だがそのせいで組織に感情を奪われ、傀儡と化したのを自分の責任と感じており、助けるために敢えて組織の許にいる。
  • ソウ
    • 一時も離れずコウを守る野良セイバー。たかが幼い少女だと油断して不意打ちをしようものなら、鋭い爪で手痛い反撃が返される。
    • コウと時を同じくして生まれた星喰いであるもののギベオンの力が効かず、実は正気である。が、コウの意思に忠実と見なされているため、彼とまとめて蒼井悠斗に世話を任せられている。
  • 天王寺征人
    • ギベオンと手を組み、自分以外の人間を消し、すべてを手中に収めようとしている。
    • 実際はギベオンに利用されているだけで、最終的に処分される……ところを、感情が戻ったコウに間一髪で助けられます。
  • ギベオン
    • 組織の頭で諸悪の根源。町の住人たちを全て星喰い化させ、混沌に陥れようとしている。オーブとそっくりだが、男性的な容姿を持つ。
    • 星宝石の根源であり、星宝石そのもの。人間を愚かな生き物だと吐き捨て、支配するのは当然だと考えている。
  • 見嶋千里
    • 組織に所属するセイバー。コウがどの陣営に落ち着くのかが未来分岐のターニングポイントと見ており、蒼井悠斗も含めてどのような選択をするのかを興味深く見ている。組織に対しての忠誠心は皆無。

設定関連

マスター

 星宝石を浄化、強化出来る力を持つ者。力の具合によって組むことが出来るセイバーの人数は制限されるが、少人数であるほうがベストとされている。

セイバー

 守護石を介して変身能力を得た者。変身すると、身体能力向上、魔法が使えるようになる。
 マスターがおらず、自然と力を得たセイバーも存在し、そちらは『野良セイバー』と分類される。マスターと組むことは必須ではないが、マスターとセイバーが組んでいることで、守護石から得られる神秘的な力を増幅することが出来る。

守護石

 星宝石と根本を同一とする。所持者の精神と連動しており、強い精神力や意志によって輝きが増す(=宿す力が強くなる)。星喰いと化した者の守護石は黒く濁る。

星宝石

 守護石と根本を同一とする。何らかの理由によりセイバーの手を離れた守護石を指す。媒介となる精神がないため守護石よりは力が弱いが、時に人間を喰らい精神力を奪い取る。

星喰い

 守護石の力を酷使した結果、星宝石に乗っ取られ暴走した意識。初期症状として感情が消える。
 月が出る夜が主な出現時間であるが、少ないながらも日中の目撃情報もある。
 マスターの力で守護石を浄化すれば人間に戻れるが、堕とされ切ってしまうと手遅れとなる。

ネタバレに配慮しない流れ

前提

 星宝二次設定まるっと改変。少年漫画展開がやりた過ぎて練った設定(なのにどこが少年漫画なのか良くわからなくなった)。反省はしているが後悔はしていない。

始まり

 荒廃したふたつの町は、度々星喰いと呼ばれる化物に襲われ、力のない人たちは成すすべもなく喰われ、感情を失っていく。
 しかし、それらに対抗出来ると豪語する存在が現れた。彼らは一般人には見たこともないような奇跡的な力を使い、星喰い共を屠る。力の象徴として掲げられた剣を見た町民は、瞬く間に町民の救世主となった彼らを畏敬の念を込めて「セイバー」だと呼ぶようになる。

 ある日、美玲夏名里は大学の帰りに星喰いに襲われ、山吹日明に助けられる。だがその星喰いは異端な力を持ち、日明の守護石の力が尽き、絶体絶命に陥る。その時、夏名里が浄化の力を発現させ、日明の守護石を復活させ星喰いを退けることに成功。以後、夏名里と日明は共に行動をすることになる。
 ここで星喰いから拾った星宝石が通常と異なり、コウの浄化:反転が練りこまれている。そのせいで日明の守護石はガス欠を起こしていた。

交流

 夏名里がマスターの素質を持つ者と判明し、複雑な表情を浮かべる日明。彼は元々セイバーとして覚醒していたが、きっかけは数年前彼女が星喰いに襲われたとき。その際、夏名里の姉:冬里は彼女を庇い、星喰いに喰われている。以降、せめてこういった案件には関わらせたくない一心で何も教えて来なかったという事情がある。
 なんやかんやで野良セイバーの集まりであるレジスタンスに世話になり、そこで大黒翡翠・オーブと知り合う。ふたりは長年レジスタンスと協力体制を取るセイバーとマスターだが、翡翠は元々マスターとしての資質も持ち合わせており、訳があってオーブと組んでいるとのこと。
 ここで他のセイバーとの交流がある。

青年との対峙

 いつものように星喰い討伐をしていたところ、星喰いを助けるように現れたのは、翡翠と似た青年と、彼を護衛するかのように立ち回る少年。組織に目をつけられているぞと脅されて終わる。
 レジスタンスに戻ると見嶋千里という組織の人間がいる。彼はコウが組織に裏切りの烙印を押され、ギベオンによって感情を奪われ、征人やギベオンの目的のための傀儡となったと語る。そのことを知る荊棘を面白そうに煽るだけ煽って帰る見嶋。
 話さざるを得なくなった荊棘従道がコウという青年の話をする。翡翠が星喰いになりかけた時に生まれたのがコウだが、それをレアケースとして組織に連れ戻され、一度脱走を試みたという。その時に蒼井悠斗や荊棘に逃げたいと話していたと語り、荊棘従道は彼を何としても助け出したいと語る。

終わり

 なんやかんやあってコウに感情が戻り、不要とみなされた天王寺征人がギベオンに処分されようとしたところをコウが助けて、最終的にギベオンを倒して、ギベオンの星宝石の力によって奪われていた人々の感情を取り戻す。
 コウと蒼井悠斗も日常に戻れて、星喰いも現れなくなって大団円エンド。